「経営継続リスク、シャープ初開示」はどういう意味?

本日の日経新聞に「経営継続リスク、シャープ初開示」の記事が載っていました。

シャープの第2四半期の決算短信をみますと、

シャープ㈱第2四半期報告書(2012.4月から9月)

3.継続企業の前提に関する重要事項等に

「当社グループは、当第2四半期連結累計期間の実績も、前連結会計年度に引き続き多額の営業損失・四半期純損失を計上し、重要な営業キャッシュ・フローのマイナスとなりました。こうした状況により、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。

これらの事業又は状況に対処すべく、当社グループでは、生活創造企業をめざした新たな事業構造の改革はもとより、希望退職の募集や賃金の減額等、人件費の削減を含む総経費の圧縮、さらには在庫の適正化や資産の売却、設備投資の抑制等によりキャッシュ・フローの創出を実現する経営諸施策を策定いたします。また、金融機関の支援体制を得て必要な融資枠を確保するとともに、これらの進捗を管理するためのモニタリング体制を整備し、着実に実行することによって、業績と信頼の回復に努めてまいります。

これらの具体的な対応策を実施することにより、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。

となっています。

しかしながら、同決算短信の4.四半期連結財務諸表の(4)継続企業の前提に関する注記では、「該当なし」なっています。

これはどういうことでしょうか。

連結財務諸表上は、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在する場合であって、当該事象又は状況を解消し、又は改善するための対応しても継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められるときは

①当該事象又は状況が存在する旨及びその内容

②当該事象又は状況を解消し、又は改善するための対応策

③当該重要な不確実性が認められる旨及びその理由

④ 財務諸表は継続企業を前提として作成されており、当該重要な不確実性の影響を財務諸表に反映していない旨

記載しなければなりません。

シャープ㈱の場合は、「具体的な対応策を実施することにより、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められない」ため、連結財務諸表では「該当なし」となります。

今後、これらの具体策を実行したにもかかわず、改善されないまま、営業損失や営業キャッシュフローがマイナスの状況が続くと、連結財務表の注記に記載されることになり、この場合は、要注意です。監査人の監査報告書にも着目する必要があります。

しかしながら、今回のケースは、決算短信の記載要領に従い、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在する場合は、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められなかったとしても、「継続企業の前提に関する重要事項等」として財務諸表以外のところに投資家に注意を喚起する意味で記載されたものです。

 

下記の資料が参考になります。

継続企業の前提に関する開示について

継続企業の前提に関する監査人の検討

 

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