個人事業主が不動産賃貸業を営む場合の消費税について

私の周りでは、相続対策等で農地を転用してビルを建設し、不動産賃貸業を始める人がいます。この場合、ビル建設にあたり、消費税がかかってきますが、これは仕入税額として、賃貸収入に課税される消費税から控除することができます。しかしながら、賃貸収入は、時の経過に伴って発生し、消費税もそれに伴って課税されますが、ビルの建設代として支払う消費税はビルが完成し事業の用に供した時点になります。したがって、ビルを完成した年に支払う消費税の方が、その年の賃貸収入よりも多くなるのが一般的です。この場合、税務署に消費税の還付申告をして、消費税を取り戻すことができます。

ビル建設代金     100,000千円

これに係る消費税    5,000千円  ①

年間の賃貸収入    3,000千円

これに係る消費税     150千円  ②

②-①         △4,850千円   所定の手続きを行えば還付してもらえる。

 消費税は、基準期間の課税売上が1000万円以下の場合(注)(以下免税事業者と称す)、消費税を納付する義務はありませんので、賃貸料として消費税を賃借人から徴収しても、徴収した消費税を税務署に納付する義務がありません。一方、ビルの建設代金には消費税がかかりますが、、免税事業者の場合、何もしなければ、当該消費税は還付してもらえません。ビルの建設代金に係る消費税を還付してもらえるのは、ワンチャンスしかありません。すなわち、上記のような状況になるのは、一般的にはビルが完成し、事業の用に供した年だけです。この年に消費税の還付をしてもらうためには「課税事業者選択届出書」を提出し、課税事業者になれば、上記のような場合、還付してもらえます。問題は、「課税事業者選択届出書」をいつ出すかということです。

課税上のトラブルを無くす意味では、課税事業者選択届出書」は、賃貸用建物の引き渡しを受け、不動産賃貸を開始した日を含む年ではなく賃貸用建物の建築請負契約を締結した日を含む年に提出しておくことです。

 

なお、課税選択をした場合は、2年間は拘束されますので、免税事業者である要件を今後も満たす状況にあるのであれば、2年経過後は「消費税課税事業者選択不適用届出書」を提出することにより、免税事業者に切り替えておかなければなりません。

消費税

 

注) 平成25年1月1日以後に開始する年については、基準期間の課税売上高が1,000万円以下であっても特定期間(※)の課税売上高が 1,000万円を超えた場合、当課税期間から課税事業者となります。なお、課税売上高に代えて、給与等支払額の合計額により判定することもできます。
※ 特定期間とは、個人事業者の場合は、その年の前年の1月1日から6月30日までの期間をいいます。

 

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